湖底より愛とかこめて

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青獅子の学級キャラの名前由来―FE風花雪月考察覚書き⑥

 本稿では、『ファイアーエムブレム 風花雪月』(FE3H)の青獅子の学級(ルーヴェンクラッセ)の生徒キャラクターたちの名前の意味・由来について考察します。

 

 

 黒鷲の学級のやつはこちら↓

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風花雪月のジェンダー考察ごはん考察紋章タロット対応読み解きなどいつも読んでくださってありがとうございます。

ついに、王国ルートをクリアして全ルートを制覇しました~! おわ……終わってしまった……。また青獅子ルートの総括は青き獅子の心臓―FE風花雪月考察覚書き④ の後編みたいにして考察を上げよ~~~~と思いつつ、今はごはん考察の同人誌化原稿に励んでいるので更新がノロノロになっております。お許しください。

そうなんですいつもの「FE風花雪月と中世の食」シリーズを加筆し『いただき!ガルグ=マクめし―FE風花雪月と中世の食(仮題)』として非公式ファンブックにまとめることが決定しております!

頒布時期や方法についての連絡はこちらのブログでもしていきますが、Twitterにアカウントを作りましたのでそっちのほうが速報上がるかもです。あとフォローしてくださってる方には本をお求めのときなんかいいことあるかも。

 【追記】↓発売して再販して読みやす編集してまた再販しました↓

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というわけで今回は青獅子の学級をクリアした記念にまた青獅子の子らの名前の意味や由来について簡単にまとめたいとおもいます。ざっくりと考察と言いましたが特に考えて察するとかではなく今回はけっこう淡々と書いていくのでほんとにおつまみ程度にどうぞ。

 

『風花雪月』は他のFEに比べてもとにかく名前の実在感が強く、十傑の名前や神話からとられている姓を除けば、帝国はドイツ風などネームルールもかなりヨーロッパ的な現実に寄せてはっきりしていますね。だからこれからするのは作品の中での意図の話というより、現実のその名前がどういう由来・意味なのかを挙げていくような話です。

当然、日本のキャラ重視ゲームなんだから「現実のその名前がヨーロッパ世界でどういうものか」なんてことよりキャラに合わせた響きを大事にしているだろうことはわかるので、そういうのもあるんだ~って感じでかるーい読み物として楽しんでいただければ。

世界人名物語――名前の中のヨーロッパ文化

ヨーロッパ人名語源事典

聖書人名事典

哲学小辞典 (1947年)

北欧神話と伝説 (講談社学術文庫)

 あたりを参考文献にしています。

 以下、この記事は青獅子の学級のまあまあネタバレを含みます。

 

 

ディミトリ

 王子ディミトリ以下、王国の騎士貴族階級出身のキャラにはミドルネームもあるのでそれについても軽く触れていきます。

ディミトリ(Dimitri)はフランス語およびオランダ語くらいかな?の男性名、同系統の名前の原型はギリシア語のデメトリオスです。ロシア語のディミートリイやドミートリイが最もよく聞きますかね。最近のディミトリオスくんといえばナイト・アンド・バレットの従者くんです。

原型であるギリシャ語名前のデメトリオスは「デメテルの信奉者」を意味し、デメテル(Demeter)というのはギリシャ神話の地母神、おとめ座のことです。デ、とかダ、とかゲ、ガ、は「大地」をあらわし(「ガイア」など)、Demeterは「大地のおかあさん」すなわち地母を意味する言葉です。『Fate/Grand order』のオリュンポスや『ダンまち』などにもデメテルはイメージ通りの見た目で登場しています。

「地母神」というのは母なる自然の生み育てる力、多産と豊穣の力(グレート・マザー)であり、同時に子供である人間を自然の腕から離さず呑み込んでこようとする天災や獣性の力(テリブル・マザー)でもあります。グレートマザーとテリブルマザーはさまざまな物語に頻出する原型です。風花雪月のグレートマザー概念については色の記事②の「女神の緑」の項を参考にされたし。

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 ディミトリのもつブレーダッドの紋章が対応するアルカナは「力」であり、獣性の暴威の力とによる理性の力の二極をあらわしており、これは地母神的な性質ともいえます。

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『Fate/Grand Order』の『星間都市山脈オリュンポス』に登場するデメテルはその地母神性格がわかりやすく描かれていました。彼女は貞淑な豊穣を絵に描いたような、いうならメルセデスのような風貌で、あらゆる作物を実らせ人間に与え、人類を我が子としてニコニコと慈しみますが、「叫び」という音波衝撃波攻撃で愛する地上のすべての命を奪いつくします。「命を与えながら、奪う母だなんて……」と悲しみながら。

これは「世界になぜ季節が生まれたのか」という説明神話に由来する描写です。いわく、デメテルは何よりも愛する一人娘ペルセポネを冥界神ハデスにさらわれ、娘を探す彼女の嘆き悲しみの声に地上の実りは死に絶えてしまったのです。神々のとりなしによりペルセポネは一年のいくらかは母と過ごし(春とか)、残りは冥界で過ごすことになり(冬)、こうして世界には季節が生まれ今でも冬はデメテルが嘆き叫んでいるのだ……と。

地母神のママみとは人間のスケールの情愛ではなく、巨大な愛と巨大な厄災なのです。ディミトリも嵐のように人を殺しまわりながら、人間のことが超大好き愛しています。ファーガスにとってよき王の存在は「みんなが平和にごはんを食べられること」に直結しており、ディミトリが曇れば民は死に、ディミトリが笑えば民は豊かになる、そういう話です。ディミトリは大地に実りをもたらすための人柱であり、また豊かな大地の意思を体現する獣の王(猪=獅子)でもあります。

↑女神が大地で地球が転生といえばコレ!

アレクサンドル

 ディミトリのミドルネームアレクサンドル(Alxandre、Alexandr)はフランス語あるいはチェコ語やロシア語の男性名で、ドイツ語や英語のアレクサンダー、イタリア語のアレッサンドロ、スペイン語のアレハンドロ、ギリシャ語のアレクサンドロス、愛称や短縮名のアレックスなどに対応します。これは現実世界ではアレクサンドロス(アレキサンダー)大王の名前としてあまりにも有名です。つまり「征服王イスカンダル」です。

Alexなんとかはギリシャ語のalexein「守護する」、andr部分は「人民」を意味し、そのまま訳せば「人民の守護者」となります。「アレク」部分はエーデルガルトの「エーデル」「アデル」「アル」(高貴)部分と同じく名前の一部になったり単品で名前になったりすることもあります。FE聖戦にいますねアレク。

「人民の守護者」という時点でじゅうぶんにディミトリなのですが、先程の「アレク」(守護する)部分の守護ニュアンスをひもとくとそれはlogos(論理、言葉)lex(法)と同語源で、「秩序によって守る」「法と言葉によって守る」といった性質のものです。青獅子ルートが描いた人間性のテーマとは「言葉」「対話」「実体のない理想」だったわけで、なんかディミトリの名前全体的にやたら合っとるな……。

 

ドゥドゥー

 ドゥドゥー(Dudue)はヨーロッパ語族ではなさそうな異民族の出だし、綴りの読みもデュ……とか困っちゃって書くことねえなと思っていたのですが、「モリナロ」という姓のほうを調べてみたところ王国の語圏にそったフランスの実在人物の名前がすぐ出てきました。

エドゥアール・モリナロ - Wikipedia

フランス出身の映画監督だそうです。「エドゥアール(Édouard)」の愛称としてドゥドゥーというのはアリアリなので、ドゥドゥーの名前はコレのダスカーなまりだということにしましょうか。

そういうことにした場合、英語のエドワード、ドイツ語のエドゥアルト、イタリア語のエドアルド、愛称や短縮名でいう「エド」に対応します。もしかしたら「エドガー」系列かも。どちらにせよイングランドからの名前で、「Ed」部分は古英語や古北欧語、古ドイツ語の「富」「繁栄」「幸福」みたいなめでてえ意味をもちますし、「ワード(ward)」にしろ「ガー(gard)」にしろどっちも「守り」「守護者」的な意味を持ちます。エーデルガルトの「ガルト」部分と同様ですね。

「富」「繁栄」「幸福」とはさっきの話から見てみればまさしくファーガスにとってはディミトリそのもののことです。

↑この金髪碧眼といつも一緒にいる褐色肌もエドヴァルド

 

フェリクス

 フェリクス(Felix)はとても明快簡潔な名前で、ラテン語で幸福を表します。あまり言語によって大きな変化はせず、女性名はFEifにも登場した「フェリシア」です。運命(幸運)の女神フォルトゥナにも関わりがあります。

ニュアンスとしては「多産」「豊かさ」を含む幸せさで、コーエーテクモゲームス『アンジェリーク』のロザリアお嬢様(上表紙絵右側)が自分の育成する大陸に「幸福で富み栄えたすばらしい土地」という意味でフェリシアと名付けており、豊穣ながらお高級で響き美しい言葉ですわ。あれっ「富」「繁栄」「幸福」ってさっき聞いたな?

ドゥドゥーが「富」「繁栄」「幸福」たるディミトリの守護者であるように、「富」「繁栄」「幸福」を名に持つフェリクスはディミトリの盾であり、二人は盾の両面であるといえます。

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↑色合い的にもドゥドゥーとフェリクスは違う観点から似たようなことを表していておもしろいです。

ユーゴ

 フェリクスのミドルネームユーゴ(Hugo)はフランス語の男性名で、黒鷲の学級のヒューベルトの項でも書いたように「ヒュー、ユーグ(hugu)」は「知性」「思考」を意味しています。

フェリクスとヒューベルトはキャラが180度違うのですが、じゃあフェリクスと「知性」「思考」にそんな関わりがないのかというとめっちゃあります。フェリクスは体を動かすタイプなのでパッと見わかりにくいですが理屈屋というか理系脳であり、理学に気付いていない才能もあります。これはフェリクスのもつフラルダリウスの大紋章の対応するタロット「皇帝」のアルカナの表す「男性的な理性と論理」の性質です。フェリクスのこういう性質もまた青獅子ルートのテーマである「実体のない言葉の力」の表現でもあります。

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余談:ロドリグ

 フェリクスの父の名ロドリグ(Rodrigue)はフランス語の男性名でスペイン語のロドリゴさんでもっともよく使われています。英語ではロドリック、ロードリック。もとはゴート族(ゲルマン)系の名前としてそのへんに伝わりました。

ロド部分はロジャーさんやローランドさん、ロバートさんなどのロにも使われていますが、「名声」を意味しいろんな語の語源的な意味には知恵や詩や言葉の神としてのオーディンのエッセンスが入っています。息子のミドルネームとちょっと似てますね。リグ部分はリック(rich)に連なり、リッチ、豊かさを示します。「名高き知恵者」というところでしょうか。

古代における詩人とは、占いを司る者であり、預言者であり、神々の意図を伝える者であり、先祖や英雄の物語を語る者であり、王をほめ讃える役を担った者であった。

(『ヨーロッパ人名語源事典』/梅田修)Ro-の名前の語源の項より

 

余談:グレン

 フェリクスの亡くなった兄グレン(Glen)の名前はケルト語で「谷」ことに「峡谷」という意味です。よく「なんとか谷」的な名前としてウイスキーの名前についてます。

 

アッシュ

 アッシュ(Ashe)は英語とかのユニセックスな名前アシュリー、アシュレイ(Ashely)の愛称あるいは短縮名です。「音のかっこいい地名」なので日本語で言う「相模(さがみ)」とか「甲斐(かい)」とかみたいに男女問わず使える名前であり、語源的には「トネリコ」をあらわします。

セイヨウトネリコは野球選手の木製バットなどにも使われるしなやかで強い木であり、また魔法の杖や魔女のまじないなどにも多用される力ある樹木です。アッシュは植物の利用に長けており、そういう本草学みたいなことが魔女のまじないの基本にあるので、似合っている名前です。

また、響きだけ聞くと「アッシュ(Ash)」はトネリコの木というより「灰」「灰色」の意味が日本人には強く連想され、アッシュの出身身分の低さ、髪や目の色のライトグレーや境遇のシンデレラぶりを補強します。

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シルヴァン

 シルヴァン(Sylvain)はフランス語の男性名で、これもあんま言語変化知らないな、同じモチーフの名前に英語のシルヴェスター、フランス語のシルヴェストル、ラテン語のシルウェステルなどの「シルウィ(Silv)」系の名前があります。

ニホンジン感覚からするとシルヴァンって名前聞くと英語のシルバー(silver)、銀を連想してしまうんですけど、それはフランス語名では「アルジャン」といいます。

シルウィ系の名前の女性名は「シルヴィア(FE聖戦の系譜)」「シルウィア」、レア・シルウィアといえばローマ帝国の神祖ロムルスとレムス兄弟の母である女性、豊穣の女神の名前です。また豊穣の女神か。その前にラテン語の「silva」は「樹木」を意味し、森の男神シルウァヌスは豊穣というより森の脅威、つまり囲いの中の人間と外の危険との境界線を厳しく守る神であり、農家や家畜を守る神です。守れゴーティエ領!うなれ俺の弁舌!(守れ美濃 盛れ毒茶)(照二朗は今麒麟がくるにハマっています)

あとシルヴィア(聖戦)はヒルダちゃん系のキャラなので闇ヒルダ。

ジョゼ

 ジョゼ(Jose)、ジョジエ(Josee)かな?はこれもフランス語の男性名でそろってるとすると、英語のジョシュア、ドイツ語のヨシュア(FE聖魔の光石)イタリア語のジョスエ、スペイン語のホセーなどに対応します。このジョシュア系はジョセフ系やジョン系ジョナサン系と同じ「ヤハウェの神」をあらわす「Jo」「Ju」「Ja」「Je」族の中でも神の子イエス(ヘブライ語でイェシュア、ヨシュア)のファーストネームとして有名ですね。

イエス以前にヨシュアは出エジプトしたユダヤの民をモーセのあとをひきついで約束の地へ導いた英雄で、モーセかヨシュアかダビデかみたいな救世主の名前としてヘブライ語では大人気でした。意味もまさにズバリ「神の救い」「神は救い」を意味します。イエスキリストカミノコスクイヌシジョゼゴーティエ……。

 

メルセデス

 メルセデス(Mercedes)はスペイン、フランス語あたりの女性名で英語だとマーセディーズ、ドイツ語だとメルツェーデスとなります。

メルセデス・ベンツがあまりにも有名ですが普通にベンツの前についてるやつのほうが当時のベンツの主要株主の娘ちゃんの洗礼名からです。もとはスペイン語で「慈悲深きマリア(マリア・デ・ラス・メルセデス)」と聖母マリアを呼んだ形容詞で、優しさとあわれみ深さ、そして聖母マリアの別名の意味があります。メルセデスの性格や宗教色によく似合った名前です。

余談ですが上のフィギュアの『オーディンスフィア』の妖精女王メルセデスの北欧神話におけるモデルは世界樹ユグドラシルであり、儚く小さく可憐でありながら世界の命を守り育み慈しむ大きな愛を表しています。彼女をよく助けた足元のカエルの真の姿は青年で彼らはほのかにかわいらしい恋心をいだき合うのですが、その名前はイングリットと同語源をもつイングヴェイといいます。そういうとこでもメルセデスとイングリット、推しなんだよなあ(個人的感情)。

 

アネット

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 アネット(Annette)はフランス語の女性名で、「ット」や「ッテ」は「小さな」や「~ちゃん」的な愛称変化形のかわいらしい名づけです。非貴族階級出身の初めての王の公妾となったロココの女王ポンパドゥール夫人は幼い頃「あなたは王様の心を虜にすることになる」と占いを受け「レネット(王妃ちゃん)」とあだ名されるようになったという逸話があります。レーヌが王妃ですね。このように変化形をつけなければアネットはアンヌ(Anne)でマリアンヌがマリア-アンナ複合名だったのの後半の名前です。

マリアンヌの項でも述べたのですがアンヌ、アン、アンナはメルセデスとイコールである聖母マリアのさらに母、キリストのおばあちゃんの名前なのでやはりよき妻女の名前としてポピュラー、意味は「神は恵み深い」を意味するヨハネが語源と、なんかさっきのドゥドゥーとフェリクスが似るみたいな感じでメルセデスとアネットもかなりきてますね。メルセデスとアネットの好みやキャラクター性が似ているようで実は違うところが浮き彫りになってる件に関しては食の好みの記事もどうぞ。

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ファンティーヌ

 アネットのミドルネームファンティーヌ(Fantine)はフランス語の女性名で、『レ・ミゼラブル(ああ無情)』に登場する自己犠牲的で目を覆うようなかわいそうなシングルマザーの名前として有名です。(余談ですがレミゼの作者はヴィクトル・「ユーゴー」でフェリクスのミドルネームですね)

語源的には「子供っぽい」「小娘」といったところで、ファーストネームとあわせてもアネットは「ちっちゃな娘さん」でありながら「おかあさん」でもあるといった印象がキャラクターらしいです。

 

イングリット

マリーのアトリエプラス ザールブルグの錬金術士

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 イングリット(Ingrid)はドイツ語読みの女性名です。なんで今までずっとフランス語読みでそろってたのに崩れるんだよというとエーデルガルトやフェルディナントなどのdをドでなくトと読むドイツ発音ルールをこれ以上混乱させたくなかったんじゃないかと……。ドイツ語、オランダ語あたり以外ではイングリッド、イングリドと読みます。ゲームファンにとっては『マリーのアトリエ』『エリーのアトリエ』そして『リリーのアトリエ』にもわたってお世話になりまくったイングリド先生の名前で印象深いです。gが入ってて強そう、かつ高尚で清廉そうで女騎士にはぴったりの響きです。

さきほどメルセデスの項でオーディンスフィアのイングウェイを通じてちらっと触れましたが、イングリットの名前は「イングヴェイ」「イングヴィ」「ユングヴィ」などの男性名もある「イング」系で、これは北欧神話で最も美しい男神フレイのことです。フレイとフレイヤという男女の双子神の名前は「美しい主人」「美しい女主人」を意味し、フレイの本名がユングヴィです。

イング部分の意味は男神らしく「膨らむ」「増大」「隆起」を意味し男根的な豊穣をあらわします。フェルディナントを思い出すな……。リッド部分は「フリード」とかの名前と同じく「フレイ」の名前の変化に戻って「美しい主人」をあらわし、イングリットは「強く美しき主人フレイ」といった意味の名前です。(新暗黒竜、新紋章にもいましたねフレイというカッコいいおっさんが)

紋章をもつ「一族の光」として父に強く期待されたイングリットは、紋章をもつ跡取りだとわかったあとにこの名前をつけられたのかもしれません。メッチャ大きな農家の長男的な期待を背負った名前といえます。イングリットの農家の長男性は青獅子のテーマ考察の記事でも書いています。

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ブランドル

 イングリットのミドルネーム「ブランドル(Brandle?かな)」は語尾「ル」からするとドイツ語っぽい「〇〇お嬢さん」的ニュアンスの女性名なのかなです。「ブランド(Brand)」部分は男性名ブランドンさんなどで人気のモチーフで「灼けつく丘」または「剣」をあらわすカッコいい言葉です。イングリットカッコいい。フレイ。長男。

 

 

以上、サクッとスナック記事でした。原稿をしてるので更新は遅くなりますが、次は青獅子ルートのテーマ考察の後半、「亡霊」を中心とした考察を書きたいと思います。また覗いてくれると幸いです。

 

 

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