湖底より愛とかこめて

ときおり転がります

愛するチカラ・京チーム編ーTHE KING OF FIGHTERS for GIRLSの思い出

 本稿ではスマートフォン向けアプリゲーム『THE KING OF FIGHTERS for GIRLS(以下KOFGとも)』の感想やらなにやらを書いていきます。前回はゲーム全体の話、今回は個人ルートの感想です。「共通ルートのまとめ」と「京チーム」まで話していきます。これと庵の感想、書いたのに一回全部消えたので超応援してください……。

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よって、ネタバレなどを多分に含みます。また、『THE KING OF FIGHTERS for GIRLS(KOFG)』がもうサービス終了しちゃったこともどうぞご承知のうえでお読みください。つまり「オッこのゲームおもしろそうだな!」と思っても、もう誰もプレイできないのに書くという時すでに遅すぎて悲しみしか生まないかもしれん記事です。

せめて「オッおもしろそうだな」と思った方は「KOFGコンシューマーでやりたいな」「KOFG新作欲しいな」といった感じのことを記事引用でつぶやいていただけると未来がなんかアレでコレでどうにかこうにか(工作活動)……

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共通ルート(メインストーリー)

 「ハ!?『KOF』の『G』って何!?」という方は前回の記事を読んでくださいな。

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 個人ルートの感想の前に、おおまかなメインストーリーについてあらすじをさらっておきましょう。

主人公ちゃんはごくふつうの成人女性。突然勤めていた会社がつぶれ就職活動したところ、住み込みで働ける大門道場の管理人に採用されます。そこは世界的格闘イベント「KOF」にも出場する格闘チームの道場で、さっそく新しいKOFの招待状が届きチームのマネージャーをつとめることに。しかし、一般女性であり引っ越したばかりの主人公にもなぜかKOFの招待状が届きます

いざKOFが開催されてみると、格闘に怖いイメージをもっていた主人公もファイターたちの輝くような戦いや観客が活力を湧かせるさまを見て、お祭としてKOFっていいものだな……と思うようになります。それもつかのま、KOF会場に不穏な動きが。正気を失ったような暴徒が複数暴れ出し、お祭どころではなくなって皆が逃げ惑う事態になったのです。そんな中、今回の大会の主催者であるという「ナギ」という謎めいた人物が主人公に目をつけ、あやしく微笑みかけてきます。

なんとか道場に帰り着いた主人公たちですが、一般市民の暴徒化や格闘家たちまでも洗脳されたように正気を失う事態がどんどん頻発するようになります。しかし、主人公にだけはなぜか正気を失った人間を元に戻す「浄化」の力があることがわかり、主人公は格闘家たちとともにKOFの裏にひそむ陰謀に立ち向かっていくことになります。最初は自分の力やとんでもない運命を受け止めきれずに戸惑った主人公ですが、格闘家たちと協力し影響を与え合う中で成長し、自らの運命を受け入れ命を燃やしてできることをしていく強さを身につけます

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その道中では一般市民の「弱さ」と事態解決のために動く格闘家たちの「強さ」の間にある溝が疑心暗鬼を生み、無益な争いが生まれることもありました。事態の黒幕であるナギの正体は日本を生み出したイザナギ神であり、愛する妻であるイザナミ神を失ってからずっと人間の「弱さ」がひきおこす愚かな争いを一人で見続けて辟易し、この世界を更地にして「弱さ」のない「強い」世界を新しく作り直そうとしていたのです。彼に「ヒメ」と呼ばれてつけ狙われている主人公こそは、ナギの失ったナミ、イザナミ神の生まれ変わりの魂をもつものでした。

ナギは弱さもつらい運命の苦しみもない世界に主人公を連れていき、愛する人を失って孤独に過ごした自分の運命をすっかりなかったことにすることを目指していました。しかし、つらい運命も受け入れ、今このようである自分を肯定してできることをしよう、という「運命を愛しぬく」強さを身につけた主人公たちはその解決法にノーを突きつけ、なんやかんやと戦いまして、かくして世界は崩壊をまぬがれ、ナギも主人公が新しい答えを見せてくれたこの世界を愛し、自分の人生を生きていくことにしたのでした。

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 ……とまあこんな感じの話です。ファイターたちと乙女が接するゲームならではの「強さと弱さ」「弱さがなくなればいいというものではない」ということにガッツリ取り組んだテーマ、そして「愛する気持ちがあるからこそ、今の自分の心を作った過去のどんなつらい出来事も、未来のどんな宿命も否定せず、受け入れる」という、「恋や愛をテーマとするからこそたどり着ける強さ」を描いた、秀逸なシナリオでした。

 

個人ルート(サイドストーリー)

 さて、いよいよ乙女ゲームシナリオ部分の話です。

KOFGの乙女ゲーム的な「キャラごとの個別恋愛イベント」は、プレイヤーレベルに応じて解放される「メインストーリー」の時系列の裏側で起こっていた「サイドストーリー」として描写されます。そういうわけでキャラクターと主人公の二人の物語の本筋はかなりシリアスで、明確にラブな感じのことになるのはサイドストーリーの終盤になります。萌えというより燃え的な、お互いの葛藤に寄り添い、運命に二人で立ち向かっていく……!というアツい展開で心のつながりを感じたいタイプの人には最適です。一方、イベントなどで排出されるレアカードについているカードストーリーは甘い感じのものも多いですから、ちょっと糖度が欲しいナってなっても安心。

個人ストーリーの解放条件も通常の乙女ゲームなら「親密度」が条件になっていることが多いところを、「キャラクターのレベル」、すなわちどれだけ彼が強くなったか、どれだけ彼のトレーニングやファイトに付き合ったかを条件にしているところがまた、テーマに合っていてシビレます。ちなみに親密度は親密度で存在し、差し入れをしたりファイトで応援をしたりすることで上げられてボイスなどの解放条件になっています。分け方がうまい。

全キャラのサイドストーリーをクリアしたわけじゃないのですが、思い出深かったものについて感想を記録していきます。

 

草薙京

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 筆者の推しです。

 草薙京くんはKOFシリーズ通してのメイン主人公です。ちなみに当方は「京くん」って呼んでますがそれはKOFシリーズでは高校生であったイメージが強いため、「あの京くんが一緒にお酒なんて飲めるようになって……クゥッ……」という近所の知らんオッサン目線で呼んでいるだけで、KOFGの主人公ちゃんは「京さん」って呼びます。強そうで偉そうな成人男性なので。

京くんは炎を操ることのできる特殊な古武術の継承者で格闘家としてかなりの実力者であり、姿の美しさ以上に不思議なオーラやカリスマ性をもつ「男にモテる」みたいなタイプ。自信家で傲岸不遜で愛想とかないし面倒くさがりのため、格闘家でもなんでもないふつうの柔和な女性である主人公は最初は「失敗したら怒られそう(;'∀')」「迷惑かけないようにしなきゃ(;'∀')」とちょっと怖がるというか、畏怖の念をもつことになります。子鹿がオオカミに出会ったようなものです。

しかし、京くんは強いからといってべつに攻撃的な性格をしているわけではありませんでした。自分が生来心身ともに強いから「優しさを示す」とかの繊細なことに不慣れで不器用なだけで、他人が弱かろうが強かろうが等しくさっぱりとしていて面倒見がいい、天衣無縫の親分肌なのです。それが女性には当たりの強さやぶっきらぼうさとしてうつることもある、という感じです。京くんは「強い格闘家」と「やわらかな乙女」のギャップの大きな出会い、というKOFGのテーマのひとつを代表するキャラクターです。

 

 京くんのサイドストーリーの核となったのは、「草薙京はヒメにとって危険だ」とナギに再三の警告を受けるということです。

他のサイドストーリーでも、主人公と支え合い親密になろうとするファイターたちにナギ側から何かしらの障害がもたらされることになるのですが、京くんのサイドストーリーでのナギの警告は「草薙京は特別ヤバい」という深刻さの強いものでした。これは、明言されてませんが主人公の魂の前世的な存在である「イザナミ神」の神話に関係します。日本神話伝奇ロマンをワクワク要素とするKOFの主人公ならではのストーリーラインです。

日本神話、古事記にも語られていますし本編中でもなにげなく描写されているのですが、ナギ(イザナギ神)が最愛の妻であるナミ(イザナミ神)を失った「運命」の分岐点は、イザナミ神が「炎」を生みだしたことです。炎産みによってイザナミ神は焼き尽くされて死んでしまい、冥府に住むことになりました。「炎」は京くんを象徴する力であり、だからナギは京くんを特別主人公に近付けたくないと警戒するのです。

ナギは主人公が「炎」に近付いて傷つくかもしれないことを否定します。「炎」に、すなわち強さや技術や前へ進もうとするエネルギーに近付いたせいで傷ついたり死んだり取り返しのつかないことになることは、イザナミ神だけでなく「人間の運命」といってもいいでしょう。ナギは「人間の運命」を否定し更地にすることで、永遠に渇望や苦しみのない楽園を作ろうとします。

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京くんの気持ちのいい気性に守られたり、燃えるような強い瞳に見据えられたり、「あんたわりと根性あるな」と認められたりするうちに、主人公は京くんの強さに憧れを抱き、自分も心を強くもたなきゃ、京さんのように果断に行動していきたい、と思うようになります。京くんのカリスマ性とは「炎のように、人に光と熱さを与える力」です。しかし、京くんの強さに憧れるほどに、主人公は自分の弱さや、浄化を進めるたびに瘴気を溜め込んでいく体に苦しむことになります。京くんはムリすんな寝てろ、と守ってくれようとするのですが、京くんに熱さを与えられた主人公はかばわれてばかりではいられなくなるのです。これがナギが警戒する「炎の力」というわけです。

「炎へのあこがれ」なんてなければ、安寧に守られて過ごせるのかもしれません。しかし主人公はナギではなく京くんの手をとり、「京さんの熱さのように、京さんの隣で生きていきたい」と願いました。炎の熱さにさいなまれる苦しみのない世界では、京くんの強さを愛した心も、その熱い瞳に正面から見つめられたことも、すべてなかったことになってしまうからです。

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『ペルソナ4』では逆にイザナギ神のペルソナをもつ主人公がイザナミ神に突きつけた言葉ですが、主人公が京と生きてみせることは、「もうナミは炎に焼かれてもすぐ死んだりしない」「人の可能性を見せてやる」とナギに伝えてあげる力強い大丈夫メッセージでもあったかもしれません。

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二階堂紅丸

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 KOFのキザなイケメン代表、紅様です。見てのとおりオンのときは気合いの入ったすごすぎるヘアセットをしていますが、別にネタとかではなく、美意識。今作は格ゲーではないのでオフのときのサラサラダウンスタイルもちょくちょく見ることができ、ギャップでも魅せてきます。まあ髪の毛の概形がマックポテトでも紅様は似合ってるしスタイル抜群だし大胆なファッションも華麗なふるまいもキマッてます。憧れる。

紅丸は格闘家でありながら大金持ちの御曹司でモデルも兼業、おまけに女性に優しくてサービス精神旺盛ときた。主人公とひとつ屋根の下暮らす大門道場のメンツの中でも、ぶっきらぼうで偉そうな京くんと対照的に主人公にも最初から甘々に接してきて、乙女ゲーとしてのつかみはバッチリ担当です。硬派担当の京くん、軟派担当の紅丸。女性を愛し表現やサービスの豊かな紅丸らしく、全20話のサイドストーリーでみんな最後の2話くらいしかまともにラブい接近をしないところを紅丸はなんと14話くらいで主人公との関係性を深めてきます。まさに電光石火。雷靭拳。

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 紅丸のサイドストーリーの核となったのは、「主人公を守るために、接近しないようにする」ということの是非です。

京くんのサイドストーリーでもナギからの警告がありましたが、紅丸の場合あまりに主人公と親密な様子に「ハァ~?」となったナギが「ヒメにそれ以上ベタベタしたらヒメがどうなるかわかってんだろうね」的脅迫をかましたのです。そしてこれは「紅様のカッコいいエスコートに神も嫉妬」「もどかしいすれ違い」を描くだけでなく、実は紅丸の性質をよく表現する展開でもありました。

第一に、紅丸はすべての女性に優しく、ファンの女性たちにも惜しみなく甘い言葉を捧げます。主人公のことも可愛い一生懸命な女性として最初から褒めてもくれるしエスコートしてくれます。だから、物語として波風がないともいえますし、また、それだけでは紅丸の特別な女性になったことにはならないともいえます。紅丸が女性にサービスしたい気持ちに嘘はありませんが、恋愛のシナリオとしてはやっぱり「この人をこそ大事にする」と踏み出すための、段差のような展開が必要となります。これはナンパキャラの宿命ともいえますね。

第二に、京くんが「男だろうが女だろうが周りの人間に強さと熱さを与える」カリスマ男モテであるのに対して、紅丸は「女性やか弱いものをスマートに守りかばう」女モテなタイプだという点です。スマートでエレガントで社会的に強い男としては、守るべき対象を安全なところに逃がし、火の粉ひとつもかからないようにしてあげて、「キミのためならなんてことなかったよ…」とか言いながら身なりを整えた姿だけを見せたいものです。女性をフワフワキラキラに包んであげて、苦労をさせず平穏に笑って暮らせるようにしてあげるのが、男の甲斐性、美意識、というのが紅丸の考えでした。これもまた、京の一見ぶっきらぼうに見える態度と同じく、紅丸が強くてデッカい心を持った男だからこその考え方です。

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しかし、強い男に安全に守られていればいいとは思わない、紅丸を心から想いいっしょに進みたいと願う主人公に対しては、その紅丸のポリシーは裏目に出ました。紅丸は主人公を守るにあたり、主人公を悩ませる必要はない、自分一人が我慢し己を律すれば済むことだとスッと距離をとりました。こういう展開にありがちな「わざとつらくあたる」みたいな必要以上に不器用なこともなく、スマートに自然にスッ……と。しかし、主人公はそんな紅丸の水臭さにぶつかっていき、なんでも受け止めるから話してくれや!ワシらはチームじゃけぇ!と一生懸命伝えたのです。紅丸は主人公の心の強さにうたれ、それからは問題を共有するようになり、マジ惚れを深くしました。

 

 その紅丸のテーマを象徴する展開、実は中盤にも織り込まれていました。乙女ゲーにおけるこういうラグジュアリーな男には、そいつの属するラグジュアリーな上流の世界へのいざないイベントがセットなものです。そういう場には慣れてないので……と委縮するヒロインちゃんに、心配ないよ俺がエスコートしてあげるから…みたいなやつです。紅丸にもその王道展開が盛り込まれていたのですが、そのアレンジがさりげなくテーマに沿ったもので技アリだったんですよ。この後の記事でも書くロバートも似たステータスの男で、その表れ方に違いがあるのもまたナイスでした。

紅丸のサイドストーリーの中で、ナギも出席するであろうKOF出資者のためのパーティーに潜入する展開がありました。紅丸は大金持ちのツテでスマートに招待状をゲットし、やはり俺たちが行ってくるからキミは安全なところで休んでいてよ、と主人公にすすめるのですが、主人公は自分のことなのだから自分で行って情報収集したいと主張します。それに対してウーンとなった紅丸は条件を出します。「パーティーのマナーを身につけられたらいいよ」と。

紅丸は役得のように主人公とのパーティー準備デートを組み、行きつけの高級服飾店に行って「この子にとびきり素敵なドレスアップをさせてほしいんだ」みたいな王道展開をかまします。そして、王道展開のきらびやかさの影で、一生懸命知識やマナーやダンスを身につけようと食らいついてくる主人公を見て、「この子、なかなか骨があるな……」と認めていたのですよね。守られて美しいお人形さんとして座っているだけではない、紅丸の隣で自分の運命を戦うために立ち上がる、とくべつすばらしい女性として……。

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矢吹真吾

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 真吾くんです。「~っす!」という純朴なスポーツ少年らしいしゃべり方をする、本家KOFでも京くんの初々しいワンコ系ヘタレ弟子として愛されている高校生です。声は子安武人。(またかわいいんだこれが…)

高校生なもんですから(学校のことは気にするな)、主人公にとっては年下の男の子です。とてもいい子なので、戦う男としてか弱い女性である主人公のことを守ってあげたいという正義感で一生懸命です。主人公と「ひとつ屋根の下」なドキドキ展開にいちばん赤面する純情少年(うめえうめえ)(純朴少年の赤面をしゃぶる妖怪)ですが、女きょうだいがいるからなのか、わりと女性への気配りみたいなことはきちんとしています。

真吾くんは京くんの戦いっぷりの強さカッコよさに惚れて無理矢理弟子入りし、格闘スタイルもひたむきに京くんの真似をしていて、まだまだ発展途上です。性格もちょっと弱音を吐きぎみのヘタレでコメディ担当(オレって進歩ねぇ~!)みたいなところがあり、京くんには「パシリみたいなもん」と言われています。「一般人に近い、親近感のもてるキャラ」なのです。そのもともとのキャラクターの魅力がKOFGのシナリオにも活かされています。なぜなら、真吾くんの「京の強さに憧れる、弱気になることもある未熟な一般人」という立ち位置は、主人公の立場にとてもよく似ているからです(主人公はパシリじゃなく給料もらって仕事してますけど)。

 

 真吾くんのサイドストーリーの核となったのは、「弱気になって迷った結果、過ちを犯してしまう」という展開です。

真吾くんは、ナギのあまりの強大さに「自分たちで本当に歯が立つんだろうか」「自分にもっと力があれば……解決法があれば……」と弱気になります。これは、主人公が自分の力や運命に戸惑って受け止めきれずにいたころとほぼタイミングを同じくします。真吾くんが不安になり迷ったのは、彼が物理的に弱いからではありません。ナギに実際問題として全然かなわないのは他の格闘家たちも、京にしたって同じだからです。全然かなわないかもしれない相手にでも立ち向かっていく闘志を湧かせることができるか、できないかです。それが最初はうまくできなかった、という点で、真吾くんと主人公の迷いは同じでした。

真吾くんはそんな不安と迷いにつけこまれ、ナギの「他の皆には内緒でヒメに会わせてくれたら悪いようにはしないよ、君にも草薙京のような強い力をあげるよ」という甘言に乗ってしまいます。よく考えてみればそんなことで事態が解決することはないし、ポッと他人に与えられた力は自分の力とはいえないのに、弱気になると一足飛びにすべてが解消するまやかしにすがりたくなります。運命から逃避したくなってしまったのです。

真吾くんの手引きであわやナギに主人公が連れ去られるかの事態になってしまい、その場は皆の協力でことなきを得ました。真吾くんは私を守ろうとしてくれたんだもんね、迷っちゃうことって私もあるけどいっしょに頑張っていこう、という感じの主人公の赦しを得て、落ち込んでいた真吾くんはもう迷わないぞ、罪滅ぼしのためにもオレはオレにできることをしてマネージャーさんを支えるんだ! と決意します。そして、ナギとの戦いの大ピンチ局面で皆が心折れそうになったとき、真吾くんは主人公にエールを送ったのです。「人間は弱くて間違いを犯すこともある、負けることもある、間違ったときに叱咤してくれる誰かがいれば立ち上がれるし、挽回することもできるんだ」と。だからマネージャーさんが間違った自分を立ち上がらせてくれたように、自分がマネージャーさんを励ます!と……。

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人はいきなり強くなることはできないですが、それを含めてその人の運命です。自分がまだ望む強さを持てていないこともまた、否定すべきではないし、ヘタレを消すことはできません。そんなの真吾くんではありませんし、今ここにいるわれわれでもないのです。まだ弱い人間も、まだ弱いことを受け入れ、支え合って正し合って一緒に生きていくことができる。そこにしかない強さがある。

真吾くんと主人公がつないだ手が示したものもまた、京くんの強さと歩む主人公が示したのとは別の角度からの、ナギに対する「人間は大丈夫だ」「人の可能性を見せてやる」という強いメッセージとなったかもしれません。

 

 

……と、今日はここまでにして、次回は京チーム以外の感想をメモっていきたいとおもいます。ゲームログがないので早く書いとかないと忘れちゃうからな。

別の記事もやってるので少し時間はかかりますが、読みたいと思ってくださる方はブクマなどいただいておいて、KOFGの思い出や移植欲しいよのことなどをお話していてくださると、われわれも運命に対してできることをやれて公式もアレでコレでどうにかこうにか(工作活動)……。

 

↓おもしろかったらブクマもらえるととてもハッピーです

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