湖底より愛とかこめて

ときおり転がります

プロメテウスの炎―FE風花雪月考察覚書き①

 本稿では『ファイアーエムブレム 風花雪月』の第一部クライマックス前時点での「炎の紋章」「竜」に関するテーマ予想考察を展開します。 

 

  かねてから「やれ」と諸方面に要請をもらっていた『風花雪月』にやっと手をつけています。ドラクエ11の衣装色の記事個人紋章の記事でもそのモチーフデザインの秀逸さを話題に出しましたね。やってねえのに。

もともとファイアーエムブレム(以下FEとも呼びます)プレイヤーではあったのですが、良くも悪くも売り方を変えた前二作からの、さらに学園ものだっていうじゃないですか、それだけ聞いたらろくな予感がしなかったんですよ。しかし、それは早計であった。

今作は制作協力(実質的な制作担当)にかの歴史・戦記もの友情や恋愛のシナリオの精細さでは他の追随を許さぬコーエーテクモのスタッフを迎え、物語の質や密度がポカーンレベルの高さになっています。制作協力スタッフには古くからFEのファンである人も多いとのことで、FEの伝統や深部テーマ、魅力的な空気感もふまえられています。ただコーエーらしくマップの文字表示がクソ小せえ!ことだけが問題(無双感)。

 

 今作は「士官学校時代」「5年後のかつての同窓生たちが相争う戦争」との二部構成となっており、もうすぐ一周目の士官学校時代が終わるんじゃないかなーというところまで来ています。

非常に謎の多い世界観で、実質3~4周の視点(国)を変えたプレイが想定されていることからしてたぶん一周ではすべての謎が明らかにはならないのだと思うのですが、それでも細部まで表現の質が整えられているので、この時点でもなんかテーマが響いてくるところがあります。なので一部が終わって大どんでん返しのショックを受ける前に現時点でのテーマに関する予想をまとめておこうと。

 そんなわけで記事はネタバレ、ことに黒鷲の学級のネタバレを含みます。

予想が合ってた場合はそれ以上のネタバレ(?)にもなってしまうことになるのでお気をつけください。

 

 

 

 

神の摂理に挑む者達

 本作には「神の摂理(のように見えるもの)」に抗う人物・勢力がいるという点でドラクエ11と似通ったものを感じています。

そんなこと言ったらペルソナ5とかも最終的にはそうだしだいたいの作品は最終的にそうとも言えるのですが、人物や勢力が打倒しようとしているものが「特定の人物や組織(ペルソナ5であれば世直しのターゲットらや獅童正義)」ではなくはなから「こういうところがクソである世の中の摂理に的を絞られている、視野の大きい話なのです。

ヒロイン・エーデルガルト

 そういう大きなテーマを最初から貫く存在が、今作の一番のヒロイン格であるエーデルガルト=フォン=フレスベルグです。彼女は舞台となる大陸で最も古く大きな勢力である「アドラステア帝国」の次期皇帝と決まっており、皇帝になって世の中をどうしたいというビジョンと責任感を最初から明確に持っています。そのビジョンにしたがい、5年後の戦乱をひきおこす侵略行為をおこなっていくのも彼女です。

前作『if』のヒロイン・アクアの歌よりもさらにBGMで旋律を多用されまくっている、今作のテーマソング「フレスベルグの少女」とはまさにエーデルガルトのことを示しています。すなわち今作のテーマはまったく彼女のペースであり、各々のルートは主に彼女のゆこうとする道に対して是非や限界の突破をとなえていくという構造になっていくようです。

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 彼女は現行の世界の秩序を取り払った人の世(その理想についてはまた後述します)を目指しており、侵略戦争もそのために行うものと考えられます。「世界の解放を目指す侵略の帝王」というとFEシリーズでは『封印の剣』のゼフィールに似通っています。どういう解放を目指しているのかは違うようですが、つまりラスボスの立ち回りだということです。先ほど似通っていると言ったドラクエ11でいえばそれはウルノーガであり、ホメロスであり、ドラクエ8であればマルチェロの位置です。彼らはみなアンチ・テーマの存在であり、テーマを深部まで考えれば非常に重要で彼らの視点に立って考えてもみるべき者達なのですが、プレイヤー的には基本的に切って捨ててあースッキリ、なんか悪いやつだったな、が可能なようになっている「悪役」です。

 しかし、エーデルガルトの人物像は、非常に強く賢く、美しくも愛らしく、懸命で、『覚醒』のルキナや『if』のアクアといった前2作のヒロインと同じく誰からもヘイトを集めにくい安定した「強いヒロイン」として造形されています。かつ名演をしている彼女の担当声優「加隈亜衣」氏はFEシリーズにおいては、ドラクエ11におけるホメロスの死にぶりのように一部にトラウマを残す死に方をかました、前作『if』のフローラと同じ声、同じ方向性の演技です。

(フローラはまた、「不出来だが物理的・運命的に強い下の子」をもった「賢く万事に優秀だが運命に恵まれない上の子」であり、ドラクエでいうマルチェロやホメロスにあたります)

 すなわちエーデルガルトは疑いなく従来のラスボスの立ち位置におり、従来であれば正しい運命に敗れる側の個性をもつにもかかわらず、物語構造全体を通したトップ・ヒロインに据えられているということなのです。

当方はよく「ラスボスヒロイン(ラスボス的人物こそが主人公の示すテーマを待っている真のヒロインである)」という言説をとなえてるのですが、それはやはり先述のとおり深く考えなければ切って捨てて無意識下にスルーできるところであるのが普通であり、

本当にラスボスがヒロインになってるのはなかなか異例なことであるとみなければなりません。

どうする!? マルチェロがマジでヒロインの扱いになってたら!?

エーデルガルトは女性なのでまだそこんとこ世間の目が優しくなるというのはあると思うのですが、テーマ上そういう方向のことが今作ではおこっているということですよ。

ラスボス手前にいる人間系のキャラが好きで、彼らのゆく道を想う人は買いです。

 

紋章の運命

 エーデルガルトが取っ払いたいと野望をもっている「神の摂理」とは、作中のものでは「紋章」に象徴されています。

 この「紋章」ってやつ、今作の世界観では「英雄の子孫には生まれつきの資質として女神から授かった紋章があらわれることがある」「紋章があるのが貴族のなによりの証」と発売前から説明されていて、現実の紋章とは事情が転倒しているのでえ~~って思っていたのですよね。

ロトのしるしについての記事紋章の記事でも述べたように、現実のこの世界における紋章とは「戦う者」である騎士=貴族が十字軍遠征などの他の勢力と入り混じった戦いにおいて指揮系統や手柄をアピるために使用された盾ペイントがもとであり、つまり「神から力=紋章を授かったから貴族」なのではなく「力を行使する貴族だから自分で紋章を作った」なのです。王権が神に与えられたものだっていう説明は現実世界でもよくされてます(日本の天皇家とか)が、それは今やあくまでストーリーにすぎないのかなーとわりとみんな思ってます。

 しかしどうやら、今作における「紋章」が神与のもの(でなくともそういう超常的な力で現在の貴族の先祖に授けられたもの)であるというのは歴史的・科学的にまぎれもない事実らしいのです。

 

この紋章は遺伝子組み換えを含みます

 科学的にっていうのは遺伝学的にってことです。

 その話の前にこの世界の「紋章学」について話しておきます。

「紋章」が現実と違う使われ方をしてるように、「紋章学」という用語もまた違う使われ方をしています。今作には紋章学者の先生や紋章学の研究が好きな生徒が出てきますが、それは彼らの話を聞いてるとどうやら人体の宿す紋章の力のしくみやその利用について解明する科学、人間工学とか能力開発に近いものみたいなのです。

現実の紋章学っていうのはそれとは全然ちがくて、紋章には家門の職能や歴史について何代にもわたって・縁戚や主従関係によって複合して蓄積された情報がつまっているので、素人がパッと見てもよくわかんないのを読み解く知識が必要です。それを読解でき、読解の知識を継承するのが紋章学者です。

ある意味紋章の「遺伝子」を解明するのが現実の紋章学といえます。そう考えると、たしかに今作の「紋章学」も、人体に宿るなんだかよくわからない超常的な力である紋章を解明する……っていうのはヒトゲノムの解析や利用の研究と似てるのかもしれません。

 

変異遺伝子

 なんで遺伝子の話をしてるのか、今作における紋章が遺伝なのは自明のことのように思えるかもしれませんが、「遺伝」というとざっくりしてるので、そのへんの事実関係を整理しておきます。

●紋章をもつものは何某の英雄の紋章、という特定の「大紋章」か「小紋章」(例:「聖インデッハの小紋章」など)を一人ひとつもって生まれてきて、血で検査することによってほぼ確実にわかる。

●大紋章は珍しく、特に力が強いとされる。

●紋章をもつものは「英雄の遺産」と呼ばれる英雄が実際に使った伝説の武器を扱うことができる。

●逆に紋章をもたないものが「英雄の遺産」を使うと遺産の力に喰われるように「魔獣」化する被害がこれまでにも多く確認されている(リンハルトとカトリーヌの支援Cで述べられています)

●人間を改造手術して紋章を付与するヤバい実験が存在している(エーデルガルトはそれによって炎の大紋章を付与され、適合できなかったきょうだいがいっぱい死んだり気が狂ったりした)

●ヤバ実験を除けば紋章は先天的・遺伝的で、もつ親から子に出ないことも、もたぬ親から子に出ることもあるが、もつ者には隔世遺伝的に必ず先祖に紋章持ちがある

 

 血で検査できること、隔世遺伝的な特徴で出たり出なかったりすることをかんがみるに、紋章は血液型や先天性の病気などのような「遺伝子の表現型」じみた存在だと考えることができます。その表現型を持っていない者は、神の力を持った武器の力に適合できず、理性を失い、「竜」のような魔獣になって死んでしまうと。

こう考えると「女神に与えられた祝福」とか教会が言ってるのだいぶヤバだと思いません?

怖い話です。

 

古代の骸

 怖い話といえば、デモムービーで大写しにされる「英雄の遺産」のひとつ「天帝の剣」や同じく英雄の遺産っぽい斧みたいなやつ、カッコいいよりおどろおどろしいヤバい見た目してません? 「骨でできている」みたいですよね。

あのデモムービー見たとき「うわっ……伝説の武器こんななのかよ……。デジモンでグレイモンがスカルグレイモンに進化しちゃった怖い回みたいじゃん……」て思いましたよ。そういう「暴走」「死」「人外」の力を思わせるデザインです。

どう見てもえらい古代の異形の骨からできていることを匂わせています。「英雄の武器を血筋の者だけが使うことができる」という設定は『聖戦の系譜』と似ていますが、今回は晴れがましい英雄武器(キラキラ)で済むやつではない。

キューブリックの有名な映画『2001年宇宙の旅』で、類人猿が「骨」を持ってそれでものを叩くと自分の手でするよりリーチも威力もあることに気付き、その「骨の武器」をもって敵を殺せるようになり、発展していったすえに宇宙船が……つまるところ「死」「殺し」から発生した「道具」というものの行き着く先、結局同じものが現代の進んだ技術であるというテーマを思わせます。

 この異形の骨骨しいデザインが示唆するところから考えるならば、英雄の遺産を扱える紋章持ちもある種の人外、異形であり、骨という生体だったものを原料とした感じの武器との適合に遺伝子の表現型が関係するのもうなずける話です。グロい雰囲気になってきますけどキャラデザの倉花先生ってこういう明るく美しい光とグロと狂気を同時に宿したデザイン得意なんですよね。

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 「大紋章持ち」も単につよーい!えらーい!って感じではなく、紋章持ちの中でも特に「先祖返り」のような少々恐ろしいもののように見えてきます。

 『高機動幻想 ガンパレード・マーチ』の世界観でも、幻獣なる人外の勢力と戦う人間を生み出すため、ゲームの時代の人類はほとんど幻獣化できる遺伝子を埋め込まれたクローンとして人為的に生産されているという設定があります。その強化のおかげで生身でも幻獣と戦うことのできるスーツ「ウォードレス」を着ることができるらしいです。

エーデルガルトの受けたヤバ実験の例からすると、「英雄たちは女神から祝福として紋章を授かった」というのはやはり実にあやしい話で、遺伝子の変異を埋め込まれて人外となった者が、異形の骨武器を使えるようになったというセンなのではと思っています。こえー。

 

「炎」の紋章

 ファイアーエムブレムシリーズの作品には、「炎の紋章」「竜」という必須課題のようなものがあり、ほぼ必ず「炎の紋章」みたいなものやなんらかの「竜」がシナリオ上重要なものとして出てきます。『真・女神転生』シリーズでも毎回必ずなんかしら「女神」が「転生」することになっており、たとえば『真・女神転生 ストレンジジャーニー』では「地球というガイア=女神」が生まれ変わる、という舞台設定でした。

そういう感じで、毎回処理は違うのですが、今作での「炎の紋章」の描き方は非常にうまいんじゃないのか!?と感心しています。まだ一周の半分も終わってないんですけど。

人間の力

 主人公の紋章が「炎の紋章」と判明し、それがオープニングムービーでレア様に酷似した聖者セイロス(オープニングでは名前出ないしいつの戦いなのかもわからなかったが、いろんな話を聞いていくとどうやらそうらしい)と戦って殺された悪そうなおっさん「ネメシス」と同じものとわかった時点では、それはネメシスの力を表すものとみえます。

悪そうなおっさんネメシスは「解放王ネメシス」とも呼ばれ、邪神から人々を解放するため女神から炎の紋章と天帝の剣を授かったが、邪神討伐後、力に溺れ教会に反旗を翻したとされています。

教会の敵対者の話なんで正しく伝わってるか疑わしいんですけど、その情報から考えると、「炎」とは圧倒的な力であり、明るさでありながらも、危険で身を滅ぼすもので神さえ焼きつくさんとするものなんだなーと感じられます。

 

 さらにエーデルガルトがヤバ実験によって付与され、そんで、あの、「炎帝」っていう巨悪側に利害協力してる仮面の人物出てくるんですけど、それたぶんエーデルガルトなんですよね、いやまだそうは言われてないんですけどボイスチェンジャーかかってても声の演技が完全にエーデルガルトだし、そのうえ「炎の紋章」の「皇帝」なわけで。エーデルガルトも炎帝の意思を代弁するようなこと言うし。違ったら恥ずかしいけど少なくともあの演技は中の人いっしょですよたぶん……。

というわけでエーデルガルトが「炎帝」ってみずから名乗ってるってことは(ことにします)彼女は自らを「炎」だと思ってるってことになるんですけど、彼女が「炎」と言ったとき、それは「人間が人間たる理性」「人間がみずから人間の道を切り開こうとする意志」の意味を語ります。炎に意味が追加されます。

 はるかな昔から、火の使用は人間と自然の獣を峻別する象徴として考えられてきたことです。それよりやや迂遠ですがドラクエ11のデルカダールが「困難な治水」をしたことにも通じます。

しかし、我々の世界のギリシャ神話でも、神の炎を人間に与えたプロメテウスは磔にされハゲタカに毎日肝臓をつついて食われる(不死だし肝臓は再生する臓器なので毎日再生する)という永遠みたいな痛苦を罰に受け、しかも人間はその炎のもたらす力や知恵や技術を使ってハデに相争うようになってしまったのです。これが戦争です。このモチーフは同じく神と人との関係と自立を描いた『俺の屍を越えてゆけ』でも「雷伝五郎」「太刀風五郎」の二柱の神のエピソードとして描かれています。

 

 つまり「炎」とは、

人間が人間らしい理性や技術、知恵で道を切り開く能力の象徴だが、

使い方を誤ればすべてを燃やしつくし(環境問題や核問題など)、

つねに身のうちをさいなみ、かつ、もとはといえば天から与えられたもの

の象徴として、今作の「炎の紋章」に表現されているのではと。

 

 ラスボス的帝王のエーデルガルトとはまた違った、今作のなんか闇の魔導士たちみたいなどう見ても悪者っぽい組織があるみたいなんですけど、まだ組織名とか出てないのでとりあえず今んとこ表に出てきてる魔導士「ソロン」がいるので「ソロンら」って言いますね。「ソロン」とか「クロニエ」とかいう人間離れした顔色した闇っぽいやつら、目的は不明ですが、一般人のこと「獣」って呼ぶのです。これも「炎」というモチーフに関わりある言葉じゃないですか。

 先述のとおり「人と獣を分けるもの」が炎であり、獣は炎を恐れるし扱うことができません。

ソロンらは「獣」と呼ぶ一般人たちを原因不明の病状や狂気におちいらせたり、おそらくその延長線として魔獣化させたりしています。このことと、紋章持ちでない身で英雄の遺産を使い魔獣と化してしまったマイクランの例をみるに、「獣」とは、

炎=紋章=力を扱いきれず魔獣となる者など、力を御すべき人間とも呼べぬ

「天に弓ひく力を持った自分たちこそが真に人間である

という思想を表した呼び方なんでは。

 

 しかもソロンらは炎帝を「我らの最高傑作」と呼びます。炎帝がマジでエーデルガルトだとするなら、彼らは核開発のごとく、人間に神なる力を自在に宿させる技術にハマッており、それがエーデルガルトのきょうだいを使い物にならなくしたヤバ実験であると考えられます。

そう考えると、ソロンらが行った「特別な血」が流れているという謎の少女フレンの血を採血し、それを使って近隣の村の村人たちを原因不明の病や発狂状態にさせた「実験」はエーデルガルトんちで行われたヤバ実験と符合しています。『進撃の巨人』のジークの脊髄液入りワインみたいに飲み水にでも混入したのかもです。

 炎帝はソロンらと利害協力はしても目的は異にしているようで、炎帝=エーデルガルトとするなら彼は紋章の影響を受けない世を作りたがっていることになります。ソロンらが紋章付与や神的な力の利用にハマッているらしいのとは違い、エーデルガルト的には「過ぎた神の力はもはや人間には必要なく、悪しきものでさえある」と考えています。

 

 ルミール村の惨劇は「神の力」を求めるための水爆実験みたいなものだったのです。

ならば、フレンの「特別な血」とは核の炎……「神の力」なのでしょうか?

 

竜の神

 フレンが、というか、大司教レア大司教補佐セテスその妹とされるフレンがなんか共通した重要な特性をもった特別の一族なのだろうなー、というのは序盤からみんな思うところだと思います。主人公の頭の中で会話する謎の古代風の少女・ソティスとも同じ緑の髪の毛をこれ見よがしにしているからです。

ファイアーエムブレムシリーズではメッチャ鮮やかな変な色の髪の毛とか日常茶飯事なのですが、それでも当然ながら血縁関係を表してきましたし、こんなにひとところで多用されるのは何かこちらに意味を示してのことです。

緑の一族

 フレン、セテス、それにレアについて、現時点でわかっていることを整理しておきます。

フレン

聖セスリーンの大紋章をもち、イベントでも聖セスリーンゆかりを感じさせる

●なんかすごい長命で、「ずーっと、ずーっと前」から生きてるらしい

「特別な血」が流れており、それには人間にヤバ作用をもたらす力がある

●セテスの妹と偽って実はである

⇒つまり「娘」だとばれると「特別な存在」だとわかってしまうので「妹」と偽っている

セテス

聖キッホルの大紋章をもつ

●レアと呼び捨てしあってる

●フレンの父であるため同様にすごく長命

●自分の紋章の聖キッホルより「聖セスリーンに特に思い入れが深くてね」と言う

レア

この若い女の容姿で大司教て

●オープニングでアグレッシブにフランベルジェ振り回してた人(聖セイロス)と同じ顔しとる

代替わりしているのか?とも思われたが、聖セイロスがオープニングで「お母様…」とネメシスの剣を抱きしめており、レアも「母親を奪われた」と泣く

●ソティスが作り、誰かに歌って聞かせた歌を歌う

●ソティスは女神

⇒レアこそ聖セイロス本人であり、女神ソティスの娘もしくは養娘である

●「あなたは、私の……」なんやねん、孫とか?

●主人公をやたら特別扱いし、主人公とソティスが融合すると「待ってました!」みたいな感じでメッチャ嬉しそう!!!!

まさかの「あなたは私のママ」

 

ハイ、レア様について真っ先にやべえ考え……というかもうこれは確定ではないだろうか……? がまとまりました。彼女はオープニングの聖セイロス本人であり、ネメシスから天帝の剣を取り上げ「お母様…」とか頬ずりしていました。でも先述の「英雄の遺産は太古の異形の骨武器」説にもとづくならば、あれはお母さまソティスの骨ということになるのでしょうか? それならば「母を奪われました」という「殺されました」ともちょっと違う言い回しが「仏舎利を奪われた」みたいな感じでつじつまもあう、けれど、あの華奢なソティスの骨にしてはデカすぎです。あの少女形態で子を産んでるとも思えませんし、母ちゃんになるころには巨大生物にでもなっていたのでしょうか?

 

マムクート

 当方は人の見た目に対する目が節穴なので、ソティスが「わし女神」と言い出すまではまったく気付かなかったのですが、ソティス、耳尖ってるんですよね!

「ファイアーエムブレムシリーズで、緑髪の特別な一族で、耳がとがっている」といったら、神竜の一族のことです。

amiibo チキ (ファイアーエムブレムシリーズ)

amiibo チキ (ファイアーエムブレムシリーズ)

 

なるほどーそれは女神でもわかるー。

えーっと、フレン、セテス、レアの耳、耳。

耳……耳隠しとるーーーー!!!!

(節穴なのであえて見るまで全く気付いていませんでした)

 

 自分の目の頼りなさを思い知ったところで、これは緑髪の一族はマムクート決定していい気がします。ファイアーエムブレムシリーズの必須課題その2「竜人」マムクートです。

ファイアーエムブレムシリーズにはドラゴンナイトなんかが乗ってる騎竜や魔物・動物としてそのへんで生きてるワイバーンみたいな飛竜のようなのじゃない「本物の古代竜種」というのがいて、それは人の姿をとり、何千年の時を生き、神のごとき力をふるったりするのです。みんなお耳尖ってます。

他の三人が単に髪形の問題で耳が「隠れてる」だけなんだとしても、ソティスはたぶん竜でもある女神であり、英雄の遺産は「竜骨」製であるということでデカさの説明もつきます。

 

 もしフレン、セテス、レアが古代竜種マムクートであるとするならば、千年やそこらの協会の歴史では代替わりの必要はありません。セイロスの棺に遺骸が入ってないのもそりゃそうだよ。

レア=セイロスとするなら、セテスとフレンの父娘関係は聖キッホルと聖セスリーンの父娘関係と同一であるセンが濃厚です。聖キッホルの像の特性もセテスの得手とする戦法に合致しています。それがバレると、セテスは自分の身を自分で守れますが、フレンは非力ゆえに特別な血を奪われてしまうかもしれず、ヤバい。フレンの血が人間をヤバいふるいにかけるのは竜の血だからなのでは。

 

人は人と歩いてゆける

 紋章持ち(十傑など)はすべてかはわかりませんが、この推測が正しければ「聖者」っていうのは竜であった可能性があります。

ということはフォドラ、セイロス教の秩序の地というのは、いま現在も直接的に神に治められている世ということになり、エーデルガルトじゃないけどこれはかなりよけいなお世話です。今までのファイアーエムブレムシリーズからしても、竜は、神は人間とのさまざまな不均衡な関係が長い長い間続いたことによって狂っていくものでした。

 葛藤と苦しみの果てに人が神の時代を終わらせ、同時に神を妄執から解放した『流血女神伝』シリーズのように、反抗期に苦しみながら支配から卒業していくのが、子供の仕事というものなのですから。

流血女神伝 喪の女王8 (集英社コバルト文庫)

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 『ファイアーエムブレム 風花雪月』の黒鷲の学級ルートでは、「炎」を人間の人間たることの象徴として扱っていると述べましたが、

ドラクエ11ではそれを「水」と「農」にみることができます。

そのへんの記事を次は書きますね。

 さあー今夜は血の同窓会だぜ!

 

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