湖底より愛とかこめて

ときおり転がります

【目次記事】千年の螺旋―FE風花雪月とアルカナの元型①

本稿では、『ファイアーエムブレム 風花雪月』の紋章とタロット大アルカナの対応について考察していきます。また、タロットカードの世界観と同作の世界観の共通したテーマについても述べていきます。

各アルカナ(「Ⅰ 魔術師」などの絵柄)と対応紋章・キャラクターの詳細記事へは、こちらの一覧記事を目次として都度リンクを張っていきます。もちろんネタバレを含みます。

また、風花雪月とタロットの話題に関してはブログ『創作の国のかな』様で以下多数の先行記事があります。

FE風花雪月紋章考察―タロットの意味とキャラクターの設定 | 創作の国のかな

FE風花雪月ストーリー小ネタ―小アルカナと4つの物語 | 創作の国のかな

 

 

タロット大アルカナとは

 そもそも突然「タロット」って占いのカードがなんの関係があるんじゃらほいという話からなのですが。

またのちほど貼る対応表なのですが、↓こういう~の↓です。

 

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 タロットカードは占術用のカードとしてだいぶ日本でも普及してきましたが、もともとはヨーロッパ(エジプト由来という説もある)のカードゲーム用に使われたカードで、その絵柄には世界を構成するさまざまな属性のキャラクター、典型的な成長段階一連のストーリーとして描かれています。

 大枠の流れは大アルカナ(メジャー・アルカナ)22枚に、テーマ別の詳細な展開は小アルカナ(マイナー・アルカナ)56枚に描かれ、ぜんぶで78枚あります。有名な「死神のカード」とか「愚者のカード」とかは大アルカナにあたりますね。

 このタロットのアルカナに象徴的に描かれたキャラや物語の「元型」は現在日本のフィクションでもさまざまなかたちで引用されています。『ペルソナ』シリーズの特に3~5はキャラクターやストーリー展開が大アルカナにもとづいて構成されています。その他にも、タロットに表されているのは王道の物語類型なので、制作側が気にしていなくてもストーリーの象徴性を読み取る補助線としてとっても有用なのです。

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知恵の実を食べた人間は、その瞬間より旅人となった。

カードが示す旅路を辿り、未来に淡い希望を託して。

そう……、とあるアルカナがこう示した……。

 強い意思と努力こそが、唯一夢を掴む可能性であると……。

――『ペルソナ3』ラスボスのセリフ

上のラスボスの言葉は1,2行目が「0 愚者」を表し、3,4行目が「Ⅰ 魔術師」を表しています。このラスボスはHPが減るごとにⅡ、Ⅲ…、とアルカナの旅路の示す段階を告げながら特性を変えていきます。タロット大アルカナ22枚は人間が成長物語の中で出会う規範や限界、葛藤を番号順に描いているのです。

ユングとタロット―元型の旅

ユングとタロット―元型の旅

  • 作者: サリーニコルズ,Sallie Nichols,秋山さと子,若山隆良
  • 出版社/メーカー: 新思索社
  • 発売日: 2001/04/01
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『風花雪月』とタロット元型の世界

 物語の類型を読み取るのにタロットが役立つのはいいとして、その中でも特に『風花雪月』がタロットの世界観とリンクしているといえるヒントが、作中でもあえていくつか示されています

「根拠とかこまかい世界観の話はええわ」という方はこちらから大アルカナカード対応の話まで飛べます。

 

ヒント1:ゴーティエの紋章石

 「ゴーティエ家督争乱」でマイクランが魔獣化するなど、魔獣が出てくるステージでは、「額に紋章石がある」とよくアナウンスされます。紋章があらわれた石ということで、ズームしてよく見ると、魔獣マイクランのおでこには確かにゴーティエの紋章の意匠がみられます。以降の「赤き谷の冒険譚」のはぐれ魔獣やアガルタ民によって魔獣化された生徒などもこのマイクランのモデル流用のようで、おでこにゴーティエの紋章が入っています。

問題はその紋章石の、紋章の周囲に書いてある文字です。ゴーティエの紋章の上下には、ごていねいに、われわれに読めるローマ数字と英語で「ⅩⅢ DEATH」と書いてあるのです。

13デスというのは疑いなくタロットカードの13番「死神」を表しており、これはタロットを特に学んでいない人にも最も有名な、かつ番号が知られている大アルカナのカード(13が不吉の数字だというのは「13日の金曜日」などで日本でもよく知られた欧米の習俗です)です。

運命のタロット〈7〉「死神」の十字路 (講談社X文庫―ティーンズハート)

運命のタロット〈7〉「死神」の十字路 (講談社X文庫―ティーンズハート)

 

   さらに「死神の噂」の章の「秘密の地下道の戦い」ではワープ床になんか見たことある紋章が刻まれており、よく見るとこれもゴーティエ! 「死神騎士」はゴーティエと関係ないしこの地下道を利用したのも偶然でしょうから、物語的に直接の関係はないはずですが、「死神……ゴーティエ……死神……」と地味に死神とゴーティエをサブリミナルしてきます

 また、セイロスの大紋章レアの血で作られたゴーレムも「Ⅱ HIGHPRIESTESS」(2番 女教皇)をつけています。

 

 そして、これは作中からばっちり見える情報ではないのですが、「フォドラコレクション」についている設定資料集の中にはゴーティエ以外の魔獣の紋章石の文字の設定も書かれています。ゴーティエの「ⅩⅢ DEATH」以外にも全5つの紋章石に番号とそれに対応するタロット大アルカナの名前が書いてあり、紋章がタロット大アルカナに対応しているということは間違いありません。

 

ヒント2:22の紋章の巡り

 登場する5種の魔獣の紋章石にタロット大アルカナが対応していたとしても、登場していない紋章もいくつもあるのですから、それだけでは全部の紋章が全部のアルカナにちょうど対応してるかはわかりません。そこで、「すべての紋章」が出てきているところを見てみましょう。

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公式の女神降臨のフレスコ画です。経年で傷付いたような加工がされていますが、周囲を取り囲む紋章の数は21個。先生およびネメシスの炎の紋章は描いてないことから、それを合わせて22個の紋章がフォドラには存在していたことになります。

いたっていうのは、もともと紋章と英雄の遺産は貴族の家のものではなく、王国・同盟貴族のおおむねの祖である古の十傑たちが女神の眷属たちの遺骸から奪った力であり、そうすると貴族たちに伝わっている紋章は聖人5種+十傑10種+抹消された獣の紋章の合計16種類のはずです。だからこんなにいっぱいあるのは設定意図があるということで。

また、二周目以降もらえる紋章アイテムの並びも21個であり、

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この並びは一番上の棘竜(エルネスト)の紋章を「0エルネスト」であるとすると、設定資料やゲーム中で明らかになっている「1マクイル」「2セイロス」「13ゴーティエ」「14インデッハ」「15獣」完全に一致しており、その他も21個の順序はタロット大アルカナの順序に即していると考えてよいといえるでしょう。

 さらにこの順番を裏付けるものとしては、

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このこれ。「PLAYER PHASE」のEの右下のトゲ棍棒みたいな紋章を0として、左回りにさっきの紋章アイテムと全く同じ並びで並んでいます。「そんなん開発内のファイルの順番だよ」とも難癖をつけられるかもしれないところですが、その反面、さっきの女神降臨の絵をもう一度見てみると、

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実はこれだけは並びが違うのです。

ファイル順に流し込んでるだけ説は間違ってるみたいだけど、今度はデタラメなんじゃね説ももちあがってきます。

しかしこの絵はよく見ると、セイロスの紋章を頂点としてその隣に四聖人の紋章が配置されています(てっぺんの2つ左から順番に、インデッハ、セスリーン、セイロス、キッホル、マクイル)。宗教画なので聖人の地位を高めてあることがわかります。そしてその右から、タロット番号でいえば0、(1,2は聖人)3、4、5、(6は聖人)7…と続いており、聖人を上に特別扱いしたバージョンですら基本の順番は守られていることがわかります。

 

 プレイヤーはこの紋章の輪がくるくると回るのを何百回と目にします。

タロット大アルカナの世界観は、何も持たない0からはじまり、世界のすべての調和に至る旅路ですが、それは実際には人の一生だけを表しているのではなく、人生の中で何周も繰り返される成長や問題解決の道筋の一周分をあらわしています。

バランスの調和に至った魂は、また新たな旅路を歩み、新たな問題に対して似たような葛藤を繰り返し、何度も成長していきます。毎年季節が繰り返すように。

 戦闘準備画面でも、「PLAYER PHASE」「ENEMY PHASE」と同じ感じで丸いインターフェイスの中心に炎の紋章(「21 世界」のアルカナ)が配置され、時計回りに刻々と回る演出が印象的です。時計回りの回転は人間の心理的に「世界の時が止まらずに進んでいく」ことを感じさせる効果があります。

「天刻の波動」システムや「5年後」「千年祭」というストーリー展開、月初めの中世風の暦絵など、今作には「時の運行」をプレイヤーに意識させる演出テーマがあります。また、丸い回転はとどまらず動きながら、同じ場所に還ります。タロットはこのような繰り返す世界の運行を描くものです。

 そして我々日本人の文化にとって「時」とは、季節が繰り返し、歴史が繰り返すように、年年歳歳同じ輪の運行を描いていくもののように感じられています。そういった意味で「はじまりに戻り、繰り返す」タロットは、「ただ一度の神の宇宙創造からただ一度の最後の審判まで」の直線の時間進行観をもつキリスト教世界から生まれたものの中でも日本文化に親和的なものといえるかもしれません。

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 「はじまりのもの」ソティスは千年にわたるレアの紡いだ時の繰り返しのすえに、主人公の中に新しく再誕するのです。

 

ヒント3:『風花雪月』

 最初に先行記事として紹介したこちらのブログでも詳しく分析されているのですが、今作は「3つの国、3つの学級、そしてあなたの物語」とされるとおり「4つの物語」が並列して構成されており、これはタロット小アルカナに対応すると目されます。

 小アルカナについてもうちょっと詳しく説明しますね。

小アルカナは現在のトランプカードのほぼ原型であり、トランプと同じように4つのマーク「棒(ワンド)」「剣(ソード)」「金貨(ペンタクル)」「聖杯(カップ)」にそれぞれ1~10の数札があり、トランプより一枚多い4枚の絵札「従士(ペイジ)」「騎士(ナイト)」「王妃(クイーン)」「王(キング)」がある14×4=56枚構成になっているものです。

任天堂 トランプ ナップ 622 (赤)

任天堂 トランプ ナップ 622 (赤)

 

 トランプカードはマークの意味とか数札の描写とか簡略化されていますが、小アルカナは4つのマークごとのテーマにそった一連の物語として、数札にもストーリー展開を象徴する絵が描かれています。この4つの物語が、紅花・蒼月・翠風・銀雪の4つのストーリーテーマのバランスのモチーフとなっているのではないかと考えられるのです。

 

 これはなにもカードから話を作ったって言ってるんじゃないですよ、タロットカードの絵の中ではこの「棒(ワンド)」「剣(ソード)」「金貨(ペンタクル)」「聖杯(カップ)」は世界の四大元素・四大テーマをあらわし、4つのそれぞれの戦いを描くのには王道の元型なのです。タロット小アルカナがどんなテーマ分けなのかは、先程の先行ブログ様で詳しく説明されています。

(ちなみに、「棒」は技術や力をあらわし「クラブ(棍棒)→クローバー」となり、「剣」は物事を切り分ける勇気や理性をあらわし「スパーダ(剣)→スペード」となり、「金貨」は富や経済をあらわすことから「ダイヤ」となり、「聖杯」は感情や愛の流れをあらわすことから「ハート」となりました)

 

 以上のような制作側から示されているヒントから、FE風花雪月の世界観は大小アルカナの元型を引いてつくってあると考えられます。

 

大アルカナ対応一覧・愚者の旅路

 それでは、ゲーム中の表示の順番からみちびきだされる各紋章・女神の眷属とタロット大アルカナの対応をみていきましょう。一覧表はこちら。

 

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紋章アイテムの順番は「0 愚者」から始まってるのですがタロットは愚者は特別扱いなのと、あと担当がアンナさんなのでちょっと下の方にいていただいて……。

8番と11番に関しては版によって入れ替わることがあり、当方は普段は「8正義」「11力」の解釈をとっているのですが(『ペルソナ』シリーズはこちらの解釈にあたります)、『風花雪月』の場合内容を見るに「8力」「11正義」のほうをとっているようだと判断しました。

 ひとつひとつのアルカナごとの今作と対応する意味合いのこまけ~~~~ことはそれぞれに記事を立てていきますが、この記事では大アルカナの順番に沿って、その一連のストーリーをざっくりと拾っていきたいとおもいます。

 

0 THE FOOL(愚者)

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【紋章】エルネスト

【女神の眷属】棘竜

【対応キャラ】アンナ

 最初のカードとも最後のカードともいわれ、何も持たずに旅に出る、カオスから出発する段階です。

最後のアルカナ「世界」が「すべて」を意味していることと愚者が「無から」を意味していることは地続きのメビウスの繋ぎ目といえ、「なんにでもなれる」ワイルドカードです。

その性質からペルソナ3~5では伝統的に主人公の旅路を示すアルカナとされ、シリーズを渡るゲストキャラであるアンナさんが対応キャラなのもうなずけます。そうじゃないと主人公になっちゃうからな……。

 

Ⅰ THE MAGICIAN(魔術師)

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【紋章】聖マクイル

【女神の眷属】風竜

【対応キャラ】(※マヌエラ)

 すべてであり0であるカオスから始まった愚者の旅に、「1」という数字の示す「方向性」「創造」が生まれ、意識が立ち上がってくる段階です。

「1」の意識は万能の知恵であり、1をなんにでも変化させていくことができます。ざっくり言うと愚者と似た可能性のトリックスターですが、愚者よりも知恵と具体性をもった「落ち着きのない少年の行動力」のようなカードです。とにかくいろいろやってみます。詳しくは個別記事で。

(※マヌエラは紋章を持っていませんが、ハンネマンとマヌエラの外伝「氷炭相容れず」で入手できる騎士団がハンネマンに対応するインデッハゆかりのものともう一つがマクイルゆかりのものであること、レアを中心とするセテス・フレン・ハンネマン・マヌエラというガルグ=マクのスタッフ勢がキッホル・セスリーン・インデッハ・マクイルに対応しているらしくみえます。)

 

Ⅱ THE HIGHPRIESTESS(女教皇)

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【紋章】聖セイロス

【女神の眷属】空竜

【対応キャラ】レア、ジェラルト、アドラステア皇家、中央教会

 1でとにかく0を1にして、創造性を発揮した旅人が、知識を与える存在に出会い、「心」を成長させる段階です。

まだ複雑な精神性とは言い難いですが、「2」というふたつの柱の間から覗く豊かで深遠な精神の世界に出会います。2~5のカードはそれぞれ成長段階の初期に出会う「規範を教えてくれる親的な存在」のいろいろな面を表しています。女教皇は「知恵ある聖母」といったところ。

 対応キャラも非常にキーとなる人物たちや組織です。このカードはその通り、複雑で深遠な意味をもっています。詳しくは個別記事で。

 

Ⅲ THE EMPRESS(女帝)

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【紋章】十傑ドミニク

【女神の眷属】砕竜

【対応キャラ】アネット

 2~5は規範を与えてくれる親的な存在との出会いですが、「女帝」は無償の愛と生命力で包み込む母親的存在を意味します。

3の女帝と4の皇帝は対となるカードであり、女帝の母性は自然のパワーと全肯定する慈愛を、皇帝の父性は理性のパワーと良い悪いをつける評価を意味します。「柔らかな地母神」です。詳しくは個別記事で。

 

Ⅳ THE EMPEROR(皇帝)

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【紋章】十傑フラルダリウス

【女神の眷属】盾竜

【対応キャラ】フェリクス、ロドリグ

 規範を与えてくれる親的な存在の中でも「皇帝」は価値判断の勇気や強さを教える厳しい父親的存在を意味します。

女帝が「いいよいいよ」「そんなあなたも愛してるよ」と無条件の肯定感をくれるのに対し、皇帝は「それはいい、これはダメだ」「こうすべきだ」と目指すべき目標をくれる「世界を切り分ける強い男の背中」です。詳しくは個別記事で。

 

Ⅴ THE HIEROPHANT(法王)

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【紋章】ノア

【女神の眷属】萌竜

【対応キャラ】なし

 規範の最後となる法王は精神的な強さや器の大きさ、宗教的な高次の導きを意味します。

父親的な導きの中でも皇帝が現実的な規範や切り分ける力を象徴しているのに対し、法王は精神世界の充実や寛容の精神、世俗をこえた魂の輝きを教えるものです。「哲学者や宗教家の『先生』」をあらわすので、先生の運命とじゃっかんかぶるから出てこないのも道理。

 

Ⅵ THE LOVERS(恋人たち)

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【紋章】聖セスリーン

【女神の眷属】光竜

【対応キャラ】フレン、リンハルト

 さまざまな規範に出会い薫陶をうけてきた魂がはじめて自分だけのものを選択する段階を意味します。「恋」とはすなわちそういうものだということです。

選択というものには責任というか、「選ばないものを選ぶ」「選んだことにともなう困難を受け入れる」という、自ら可能性を削ぎ落とすようなネガティブな裏地がかならず存在してきます。大アルカナは7枚単位×3周期に分けられるのですが、6、13、20はその周の限界や終着を表しています。幼児時代の終わりです。それによって旅人はやっと自我を得ます。詳しくは個別記事で。

 

Ⅶ THE CHARIOT(戦車)

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【紋章】十傑ダフネル

【女神の眷属】炎竜

【対応キャラ】イングリット、ジュディット

 規範を学んできて、6で「選択」した魂が成功、勝利を手に入れる段階を意味しています。自分の光と闇などの二面を制御し、学んだことをいかして週刊少年ジャンプ的勝利をおさめますが、ジャンプでいえばこれは序盤の表面的勝利にすぎません

7枚×3周期の1つめの周期の最後のカードです。周期の最後のカードは限界や終着の後のバランスを意味しています。第一部・完――!

しかしその未熟な勝利はあとで挫折しそうなフラグの気配でいっぱいです。詳しくは個別記事で。

 

Ⅷ STRENGTH(力)

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【紋章】十傑ブレーダッド

【女神の眷属】惨竜

【対応キャラ】ディミトリ(ファーガス王家)

 「戦車」で振るった単純な勝利の力とは違い、理性や理念、意志をもった力を覚える段階です。

心の中から湧き出る力とは獣性でもあることに気付きます。力を真に正しく扱うには「獣を飼い慣らす」こと、しかも痛めつけて言うことをきかせるのではなく柔和さや理性や絶えざる対話と忍耐によって獅子を御すことが必要です。詳しくは個別記事で。

 

Ⅸ THE HERMIT(隠者)

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【紋章】十傑グロスタール

【女神の眷属】賢竜

【対応キャラ】ローレンツ、リシテア

 理性と意思と力を手に入れた旅人が、自分は何を真に目指しているのか、どこから来てどこへ行くのかを自分自身の中に探しはじめる段階です。

9はもっとも大きな一桁の数で、充実というかこう、仕上がってる状態を意味し、ほんとうの答えは自分の中にあります。探求、求道です。詳しくは個別記事で。

 

Ⅹ WHEEL of FORTUNE(運命の輪)

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【紋章】十傑ゴネリル

【女神の眷属】劫竜

【対応キャラ】ヒルダ

 自分なりの答えをみつけたとしても、この世には人の手の届かない運命の運行があるらしいと知る段階です。

時間の運行と同じように、ときに残酷な運命の存在。それを知ったうえでこそ、自分の将来について決断をします。重い運命の輪を自ら動かすのか、それに引き回されるまま生きるのか……。詳しくは個別記事で。

 

Ⅺ JUSTICE(正義)

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【紋章】聖キッホル

【女神の眷属】地竜

【対応キャラ】セテス、フェルディナント

 価値や運命の不確かなことに揺らぎながらも、正しい答え、善なることを判断しなければならないと考える段階です。

これは絶対に正しい裁きというよりは、大人の分別に近いものです。天秤は揺らぐものだからこそ、さまざまなことを加味して現状の最適解を裁定していくしかありません。それがたとえいつか間違いだとわかる不完全な答えだったとしても。詳しくは個別記事で。

 

Ⅻ THE HANGEDMAN(吊られた男)

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【紋章】オーバン

【女神の眷属】氷竜

【対応キャラ】なし

 さまざまな規範や不条理や価値判断をかんがみられるようになりましたが、それによってにっちもさっちもいかないドツボにはまり、しかしだからこそまったく新しいものが見えてきそうな段階です。

絵の男はなんか刑罰をうけてるっぽいのに意味わからんお気楽なポーズをとっており、頭には後光がさしています。吊られた男は世の中を逆さに見ることのできる賢者であり、男のおもしろポーズの腕の三角形と脚の4の字はカードナンバーでもある聖なる完全数「12」を表しています。

しかし、完全であるということはそれ以上どこへも行けないということでもあり、男はむしろ逆さ吊りになって死ぬかもしれない運命を限界打破のチャンスとして待っているのです。

 

ⅩⅢ DEATH(死神)

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【紋章】十傑ゴーティエ

【女神の眷属】裂竜

【対応キャラ】シルヴァン

 生命の死―ジ・エンド―ではなく、充実したひとつの価値観が限界を迎え収穫の時期を迎えること、限界との直面の衝撃によって新たな命を得ることを意味しています。

12が聖なる完全数だと述べましたが、不吉な数字13は完全性の飽和状態を破壊するダイナマイトです。「13人めの使徒」裏切り者ユダは一説にはイエスを神の子としての真の覚醒である復活に導くためのはたらきをしたともいわれます。死神は今まで見ていた世界に刈り取り鎌の衝撃とともに疑いの楔を打つものです。詳しくは個別記事で。

 

ⅩⅣ TEMPERANCE(節制)

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【紋章】聖インデッハ

【女神の眷属】水竜

【対応キャラ】ベルナデッタ、ハンネマン

 13死神でおこった価値観・精神のいったんの限界のあと、異なる価値観に触れて静かにバランスをとっていく段階です。

7の倍数カードはその7枚周期の終わりに調和をとるカードです。静かで吉なカードに見えますし実際そうなんですが、本人としては精神が死んだばっかりなので繊細でヤババなダメージもあります。詳しくは個別記事で。

 

ⅩⅤ THE DEVIL(悪魔)記事更新

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【紋章】抹消された英雄モーリス(獣)

【女神の眷属】嵐竜

【対応キャラ】マリアンヌ

 精神が死んだダメージからえっちらおっちら回復しようとしている旅人を誘う甘い罠偽物の神様の言うことに従って安心を得てしまうあやまちを意味しています。

弱ってるときは悪徳商法とかタチの悪い恋人に引っかかりやすいのはもちろん、逆に間違った自信をもって「これでいいんだ」と思考停止してしまったりします。こうなってしまうと自分ひとりの力で鎖を断ち切るのはむずかしいですね。詳しくは個別記事で。

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ⅩⅥ THE TOWER(塔)

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【紋章】十傑カロン

【女神の眷属】雷竜

【対応キャラ】カトリーヌ(、リシテア)

 偽物の神様を信じ、思考停止という驕りと欲望がとどまるところを知らない人間にものすごい大崩壊がおきて、何もかも失ったかのようになる段階です。

両津勘吉がうまい話で調子に乗った結果たいへんなことが起こって破産するタイミングのことですね。両津はどこだ!ばかもん!のカミナリですこれ

まあ両さんは懲りないので置いておくとしても、見えてる真実から目をそらして爆走する人が反省するには一度全部崩れるしかないのかもですよね。塔はたいへんなアンラッキーカードと扱われがちですが、雷は天罰というより神の恵みなのです。詳しくは個別記事で。

 

ⅩⅦ THE STAR(星)

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【紋章】ティモテ

【女神の眷属】闇竜

【対応キャラ】なし

 何もかもを失い呆然とする真っ暗闇に、小さな希望の光があることに気付く段階です。

燦然と輝くものではなく、都会の建物の灯りがないところで星が輝くように、「塔」で信じたもののすべてが崩壊したから見える、頼りない小さな星です。タロット屈指のラッキーカードとされますが、そりゃもうこれ以上落ちることはないからな。これが「闇竜」なのも小さな星が輝いて見えるほどに真っ暗だからとみていいでしょう。

『風花雪月』の作中でもティモテの紋章はガルグ=マク大修道院の「星のテラス」に描かれていますが、星の床石細工と睡蓮の水槽に彩られたあの静かに美しい場所に入れるようになるのは、おおむねレアが死にそうになっているころです。

アガルタの地は地下にありますが、人間の技術の驕りという意味では「塔」であるといえ、塔の崩壊とレアという既存の秩序の象徴の衰微とともに、ささやかな星の光が見えてきます。

 

ⅩⅧ THE MOON(月)記事更新

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【紋章】十傑リーガン

【女神の眷属】星竜

【対応キャラ】クロード

 真っ暗闇に小さな希望をみつけた旅人が、不確定要素たっぷりの危険と不安の中をおそるおそる進んでいく段階です。

悪魔という偽の庇護者や塔という安全な住まいをなくした人間は、夜の自然のなんでもありの中では小さくか弱き存在です。それでも、おびえ、疑いながら歩いていく。

この「月」、意図が謎すぎるんですが順番と意味は完全にリーガンの紋章=クロードに合ってるのに、女神の眷属の名前が「竜」というマジやめてほしい感じで最初は「クロードは星アルカナでは?」って考えてたんですけど内容がめっちゃ月なんですよね。月竜って変な言葉だからか?いや惨竜のほうが変な言葉だろ……。詳しくは個別記事で。

 

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ⅩⅨ THE SUN(太陽)

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【紋章】シュヴァリエ

【女神の眷属】雪竜

【対応キャラ】なし

 信じていた住処を失い、なんとか歩いてきて夜明けを迎えた旅人が、自分のあたたかいおうちを作って住む、未来が結実する……という真のハッピーエンドを得る段階です。

「戦車」で得たような前しか見ない勝利ではなく、はたまた「力」のように理性と忍耐を24時間がんばらなくてもよく、かといって「悪魔」の与えてくれた「塔」ともちがう、本当に安心して未来を描くことができるマイホームを建てたんじゃ。

 

ⅩⅩ JUDGEMENT(審判)

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【紋章】十傑ラミーヌ

【女神の眷属】護竜

【対応キャラ】メルセデス、イエリッツァ(エミール)

 ひとつの旅の終わりに、今までの人生を振り返る段階です。

絵柄はキリスト教の「最後の審判」のときを思わせるものですが、神による一方的な裁定が下されるというよりも「人事尽くして天命を待つ」のような静かな境地、そういった宗教性をもったカードです。『ペルソナ』3~5では伝統的に、仲間たちが今までの謎の真実に向き合い、テーマのクライマックスに向けてもはや迷いのない道を駆け上がっていく展開に当てられています。詳しくは個別記事で。

 

ⅩⅩⅠ THE WORLD(世界)

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【紋章】炎の紋章

【女神の眷属】ていうか女神ソティス

【対応キャラ】ソティス、ネメシス、主人公

 宇宙(ユニバース)ともよばれ、旅がいずれたどり着く世界のすべてとの調和・融合をあらわします。

超像可動 「ジョジョの奇妙な冒険」第三部 11.DIO (荒木飛呂彦指定カラー) (再生産)

超像可動 「ジョジョの奇妙な冒険」第三部 11.DIO (荒木飛呂彦指定カラー) (再生産)

 

 「ザ・ワールド 時よ止まれ」とえらいラスボスの人も言っていますが、このカードは世界のすべてと接続することなので現在過去未来のすべてを観想することもでき、よって時を自由自在にすることでもあります。別にジョジョネタから天刻の波動ができたわけではない(と思う)

21番目なので7枚×3段階の最後に行き着く調和です。もうここまで来ると生きてるとか死んでるとかってレベルではなく、ある永遠を得たということです。詳しくは個別記事で。

 

そして、また0に戻ります……

 

 

個別記事は随時追加

 対応キャラや作中描写があるアルカナについては個別に記事をたてていく予定です。順番は未定ですが、まだ教会と同盟しかクリアしとらんのでそれなりのアレになるとおもいます。書けたら随時この記事からリンクをはっていきますので。

 

↓気になったらブクマもらえるととてもハッピーです。たまに見にきてください

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